最近、よく
『どうすればかっこよくないのにモテるキャラを描けるようになりますか?』
というご質問をいただきます。
今回はその問題に、ズバリお答えしましょう。
実は人間は単純です。
すごく簡単に言えば、『快感を与えることができる人』がモテるのです。
よく快感というと、すぐにエッチなことが思いつくかもしれません。
しかしそれはごく一部。
人間は、他にもさまざまな心理作用で快感を得ることができるのです。
たとえばあなたの前に福山やキムタクがいたとしましょう。
そのとき、ちょっと彼らと話すだけでも「快感」を感じませんか?
この快感は、もちろん彼らが「モテる」原因。
だからこそ、他の人は彼らの近くに寄っていこうとするのです。
では、こういった快感の原因は何なのでしょうか!?
実は大きく分けると、モテる人間は、この与える快感の種類によって、大きく
「3つ」に分けられるのです。
それこそが、『アイドル型』と『お笑い芸人型』。
そして最後が、『ホスト・ホステス型』。
これらは具体的にどんなものなのでしょうか!?
・3つの、モテとは。
では、それぞれひとつずつ検証していきましょう。
1.アイドル型
まずはアイドル型。
これは、「カッコいい人」「才能がある人」「スポーツが上手な人」「有名人」
といった、広い意味での「ステータス」を持っている場合です。
「え? あいつとよく飲みに行ってるの?」
「あんな美人と一緒に歩いてるなんて…。やるなぁ…」
このようにステータスを持っている人の「近くに寄ること」で、結果的にその
人自身のステータスもアップするように感じます。
また周囲から羨望の眼差しを受けることは、「快感」になります。
よって人間は、無意識のうちにこういった人たちに近寄りたくなるものです。
これを「栄光浴」といいます。
また、こんな実験もあります。
ある男性を「一人で立たせた場合」と、「美人を横につけた場合」では、後者
の方が「この男性には能力がある」という評価を受けました。
これを「同伴者効果」といいます。
ですので、もしあなたが、好みの美人キャバクラ嬢と一緒にお店に歩いている
とき。
その場合に万が一、奥さんに見つかったら、こんな風に言うのが有効です。
「いや、これは同伴者効果に協力してもらってるんだ!」
ただの同伴出勤が、妙に学術的に。
…なりませんか。
2.お笑い芸人型
次にこのタイプ。
これは「笑い」を通して快感を与える、広い意味で、相手のことを「楽しい気
分」にさせることができる人です。
すなわち、単純なジョークから、行動が面白い人、そしてマスコットのように
カワイイ人、というようなもの全般を含みます。
もちろん笑いは、単に「面白さという快感」以外のメリットもあります。
それこそが、「思考の柔軟性」などの能力のアピール。
頭が固いと、ジョークを言うことはできません。
またジョークには、よく「失敗談」なども含まれます。
それをおもしろおかしく話すことができる人は、過去の体験をそれだけ自分な
りに整理して折り合いをつけられたことの証明。
それはある意味、気持ちの余裕をアピールします。
そして何より、失敗談などと接することで、
「あ、私の失敗なんて、たいしたことがないんだ…」
「こんな私でも、大丈夫なんだ…」
というように、安心することもできます。
これらの理由で、「笑わせることができる人」はモテていくのです。
すなわち、すごくざっくりとたとえるなら、
「アイドル型」は「私には高いところがあるんだよ」というアピール。
「お笑い芸人型」は、「私には低いところがあるんだよ」ということを見せら
れるアピールなのですね。
芸能界なら、アイドル型の代表はジャニーズ系。
お笑い芸人型の代表は、吉本の人たちでしょう。
どちらもとてもモテてますね。
3.ホスト・ホステス型
これは相手のことを、「包んであげる」タイプ。
話を聞き、受け入れてあげ、ちゃんと認めてくれる人のことです。
アイドル型が「高さ」、お笑い芸人型が「低さ」をキーワードとするなら、こ
のタイプは「同じ」であることをアピールします。
相手を一人の人間として接し、包んであげること。
それだけで人間は安心し、快感を得ます。
この欲求を「親和欲求」といいます。
これこそが、他のモテ型よりも一番、漫画のキャラ向きのモテる方法だと、私は思います。
実際に、たとえばあなたに恋人がいたとしましょう。
そこに魔法使いが現れて、
「あなたの今の恋人と、有名タレントを交換してあげましょう!」
といったらどうしますか?
もちろん、最初は気持ちが惹かれたり、「あ、1日なら…」と思うかもしれま
せん。
でもそれが「今後もずっと。返品不可」ということであれば、どうでしょうか。
「仕事が忙しそうで、私のことを構ってくれなくなりそう」
「実際は冷たい人かもしれない」
「すぐに浮気しそうだよね…」
そんな不安を感じ、実際はほとんどの人が尻込みしてしまうのではないでしょ
うか。
それよりは、今までたくさんの「信頼」や「心の通じ合い」を積み上げてきた
「今の恋人」を選ぶ人が多いはずです。
(それでも交換する! という方は、かなりマンネリなのかもしれません)
すなわちこれは、「アイドル型」などの要素では明らかに負けているはずの
「恋人」が、「ホスト・ホステス型」の要素で勝利を収めたといえるのです。
このように、ある特定の一人にアピールするためには、この「ホスト・ホステ
ス型」こそが最短かつ最強の方法なのです。
では、実際にどう描けばいいのでしょうか?
そのための方法は、月並みですが、とにかく相手の話を聞くキャラにすること。
話を包んであげる。誉めてあげる。
そしてたとえその場だけであっても、ちゃんと相手のことを考えてあげる。
そんな方法が大切です。
実はプロの心理カウンセラーさんによると、話を聞くときには
大切な「キーワード」があるそうです。
それこそが「素敵」「素晴らしい」「すごい」という言葉。
これをその人は「3つのS」と呼んでいます。
ただもちろん「素敵」や「素晴らしい」という単語は、やや会話では
使いにくいかもしれません。
この中で一番使いやすいのは「すごい」という言葉ではないでしょうか。
ですので、実際に相手が何かを話したら、多少大げさでもいいので、この「す
ごい」というキーワードを入れてみてください。
「昨日、試験に受かったんだ」
「わぁ、すごいじゃん! やったね」
「はい、これプレゼント」
「わぁっ! ありがとう。すごく嬉しい!」
こんな調子でキャラを描いてみてください。
気が付いたら、かっこよくないのにモテるキャラになっているはずです。
しかも、このキャラは同姓にも好かれるので漫画自体の魅力もUPしてくれます。
○今回の新人賞を獲るポイント
「モテるキャラは、相手の気持ちが分かるキャラ!」