心理学では「一貫性の幻想」というものがあります。
一言で言えば、
「同じ要素が2つ合わさると、それぞれの要素が極端に強まる」
というもの。
たとえば、「Aさんはかわいい」と言われたらどうでしょう。
おそらく「ふうん。かわいいんだな」と感じるはずです。
また「Bさんはスタイルがいい」と言われたらどうでしょうか。
やはりそのまま、「へぇ。スタイルがいいのか」と思うはず。
では、
「Aさんは、かわいくて、スタイルもいい」
と聞いたらどうでしょうか。
この場合、
「ものすごくかわいくて、とてもスタイルがいい」
女性をイメージするはずです。
数字で表すなら、
「かわいい」だけなら、「かわいさ7点 スタイル3点」
「スタイルがいい」だけなら、「かわいさ3点 スタイル7点」
と想像するところ、
「かわいくてスタイルがいい」なら、
「かわいさ9点 スタイル9点」と考えてしまう、というわけです。
プラスのイメージが互いに影響し合い、
それぞれの要素がより極端に感じられるわけです。
これこそが、「一貫性の幻想」です。
この例はいくらでも挙げられます。
たとえばある人を、「カッコよくて」「お金持ち」と聞けば、
「ものすごくカッコよくて」「すごいお金持ち」な人
を想像するでしょう。
「優しくて」「素敵な人」と聞けば、
「すごく優しくて」「とてもとても素敵な人」を想像するはず。
1+1=2ではなく、3にも4にもふくれあがってしまうわけですね。
たとえば、現在人気のある「お笑い芸人」は、
ほとんどが「コンビ」。
一人の芸人や3人のグループもいますが、たいていは2人です。
「面白い1人」+「面白い1人」が、やはり一貫性の幻想で、
「すごく面白い2人」というイメージになるからと考えられます。
だからこそ、一人だけの芸人よりも人気が出やすくなるのです。
しかし、逆に3人に増えてしまうと、さすがに「みんな面白い」とは思いにく
くなり、相乗効果は生まれにくくなるのではないでしょうか。
1+1=1という計算になる可能性もあるわけです。
歌の世界も、「B’z」や「ゆず」など、ほとんどがデュオ。
これも、やはり相乗効果が起こっていると考えられます。
逆に3人以上だと、思い出すのは、
「(当初の)ドリカム」や「globe」とかでしょうか。
それぞれどう考えても、メンバー3人が一貫したイメージではありません。
これらの意味で、「2人」こそが、もっともイメージが一貫しやすく、
理想的な「1+1=3以上」が起こりやすい構成なのかもしれません。
最近面白いと思う「バクマン」という漫画も
改めて考えてみるとダブル主人公になっています。
これまでは、主人公を二人置くというのはストーリー作りが
難しいこともあってか、主流ではなかったですが、
もし、人と違った話を描きたい場合は、視点を変えて、
主人公を二人設定するというのもいいと思います。
○今回の新人賞を獲るポイント
「アイディアに困ったらダブル主人公で考えてみてもOK!」