ファンタジーの作品は一見描きやすいように思えるので
描いている人が多いと思いますが、ほとんどの作品が
編集者に評価されない傾向にあります。
一見簡単そうですが、ストーリーと設定の融合が難しい
ジャンルです。
融合というのは設定をストーリーを盛り上げるのに
使うということですが、普通の人にはまずできません。
だから、お勧めは、普通の普段あなたが生活している
社会(学校、会社、家)を舞台として作品を作るのが
良いです。
しかし、そうは言っても、ファンタジーが好きで
ファンタジー以外は描きたくないという人もいると
思いますので今回は、ファンタジー作品(読み切)を
書く上での注意点を話したいと思います。
ファンタジーの読みきりの注意点は、
「設定過多にしない」
「消化不良にしない」
「頭の中で考えただけの知識にしない」
という3フレーズに尽きると思います。
1.設定過多にしない
別に凝った設定が多いというのが悪いわけではありません。
『エヴァンゲリオン』然り、異様に凝った設定連発の
作品の中にも、多くの人が名作と認めるものだって多く
存在しますしね。
ただ、それはその設定がキチンとストーリーのクオリティ
を上げるように働いているからです。
しかし、シナリオの質と量が設定に負けてしまった場合は、
その設定の完成度が作品のクオリティの高さに繋がる
どころか、その逆になってしまうわけです。
設定を考えていると、設定だけに気を取られて、
「設定とはストーリーを盛り上げるのにどうしても必要
になるものにする」
という基本を忘れがちです。
複雑な設定を誇示する為に漫画を描いている訳では
ありませんよね?
読者に楽しんでもらう、喜んでもらうということを常
に考えストーリーと設定とを融合させていきましょう。
2.消化不良にしない
ストーリーのヤマ場を盛り上げたり、主要キャラクター
を掘り下げたりするはずのページ数を設定の説明に費や
してしまい、中身の薄いシナリオになりがちです。
こういう場合はまずストーリーの盛り上がりを優先し、
設定の提示はとりストーリーに即した必要最小限のモノに
留めるべきでしょう。
設定を提示しすぎて、消化不良になってはだめだとい
うことです。
多少謎を残してもそれはOKです。
ストーリー、ドラマを盛り上げて読者に楽しんでもらう
このほうが10倍重要です。
それは、読者は細かい設定よりもドラマを期待している
からです。
3.頭の中で考えただけの知識にしない
薄っぺらい知識で創造した話を書かないということです。
プロでファンタジーを描いている人は信じられないほど
のすごい量の勉強をしています。
漫画では描かない部分についても徹底的にリサーチして
詳細を完成させています。
藤田和日郎さんは『からくりサーカス』の中に錬金術の
設定を用いるにあたって、関連書籍を10冊以上読破して
「とりあえず軽く予習」したそうです。
一流の人は一流の努力をするわけです。
とファンタジー漫画を書く上での注意点を話しましたが、
やっぱり非常に難しいです。
なので、「どうしてもファンタジーが描きたいんだよ!」
という場合は、現実の日常を舞台にして、少しファンタジー
の要素を入れるというのが良いです。
「幽遊白書」「BLEACH」「REBORN」の初期のイメージです。
実は、ファンタジーで成功している作品の多くには、
「現代との接点がある」
という事実も注目すべきことです。
○今回の新人賞を獲るポイント
「ファンタジー作品は設定とストーリーを融合せよ!
現代との接点があるとより良い!」