さあ、今回もはりきってお送りいたします。
漫画の主人公についてですが、主人公は必ず明確な目的を持たせてください。
たとえすごく魅力的なキャラ設定ができたとしても、なんの目的も持たせずに物語の中に送り出してはNGです。
そして、なるべく物語の早い段階で読者に目的が分かるように、それとなく知らせてください。
それとなくとというのは、
「俺の目的は世界征服だー!」
などと自分から直接言わせたりせず、主人公や周りの人の行動によって表現することです。
たとえばサッカー漫画であれば、レギュラー選手を羨ましそうに見ながら、すごく一生懸命練習するなどすれば、レギュラーになるのが目的なんだなと伝えることができます。
主人公の目的をはっきりさせる理由は、物語を分かりやすくするためです。
読み切りなどの短編漫画で重要なのは、いかに早い段階で読者と物語をつなげるか、ヱヴァンゲリヲン風に言えば、主人公と読者とをシンクロ率を高めることになります。
シンクロに失敗すれば読者は離れてしまいます。
置いてけぼりにされた気分になり、つまらないと思ってしまいます。
ですから必ず主人公には明確な目的を持たせましょう。
例としては、
「ワンピース」 → ワンピースを探す
「北斗の拳」 → ユリアを助ける
「STEEL BALL RUN」 → レースに勝つ、遺体の部位を集める
「カイジ」 → 借金を返す
などですね。
人気漫画はどれも主人公には明確な目的があり、それに向かって突っ走っています。
連載では大きな目標に対して、目先の小さな目標も設定されてくるでしょう。しかし、どの時点でも主人公の目標は明確です。
主人公の目的をはっきりさせて、読者をいち早く作品の中に引っ張り込みましょう。
では、次回は主人公の目的に対する動機と苦難についてです。
○今回の新人賞を獲るポイント
「主人公には必ず明確な目的を持たせる」