さてさて、今回もまた前回に引き続き、主人公についてです。
いくらあなたが、あっと驚くすごい目的を主人公に設定しても、事が順調に運びすぎて簡単に目標を達成してしまっては、まったく面白くない、ドラマチックじゃないですよね?
それは、物語として成り立っていないからです。
物語として、ドラマとして成り立たないと読者は面白いと感じてくれません。
では、そもそも物語とは何でしょう?
この物語とは何か?
ということについては、一度はじっくり考えてみてください。
物語の本質を分かっていないと、ただキャラを動かしただけの平坦なストーリーの作品が出来上がってしまいます。
さあ、物語は何かを考えましたか?
物語とは「主人公が目的を達成する過程」であり、それを描くのが作品です。
主人公は現状に満足していなくて何かを変えたいと思っているんです。
何かの目標を達成したい、欲しい物を手に入れたいという欲求、これらを達成するために、目標・目的を妨害する障害と格闘していく過程を描いたのが物語です。
物語をおもしろくするには、主人公が持っている「目標・目的」をはっきりさせた上で、それを達成しないといけないという「動機」を重いものにし、これをじゃまする「障害物(敵の攻撃、権力、時間制限、怪我、不利な条件など)」も強大なものにすることが必要です。
どんなことをしても必ず達成したい目標・目的がある主人公が、障害物となる大きな敵や理不尽な危機に一生懸命に立ち向かい、最後には勝利して目標を達成する。
その過程に読者はドキドキハラハラしてページをめくるんです。
連載の場合には、敵を倒したらさらに強い敵が現れる、そうしないと読者は成長を実感できなくて前に進んでいってくれないんですね。
そうです、読者は主人公が困難を乗り越えて成長する姿が見たいんです。
この物語のパターンを守れば、あなたの漫画は間違いなく面白くなるでしょう。
さあ、さっそく、あなたのマンガの主人公に動機と苦難を与えましょう。
○今回の新人賞を獲るポイント
「主人公の目的達成には強い<動機>と思いつく限りの最大の<苦難>を与えよ」