主人公は、欠点など無い完璧な方が
かっこよくないですか?
という意見をもらいました。
確かにブラックジャックとかゴルゴ13とか
かっこいいです。
確かにそうです。
かっこいいんです。
でも、それだけです。
いわゆる連載向きのキャラクターです。
安心してみていられるキャラなんです。
毎回ゲストキャラを出して、そっちに感情移入
させて新鮮さを保つわけです。
だからこそ、読み切りに使うと大きな欠点があります。
それは、
「ストーリーの盛り上がりが全く期待出来なくなる」
ということです。
読み手にカタルシスが全然来ないんです。
連載なら「最後は勝って終わりだな」
と分かっていて読むファンも多いです。
ワンパターンが故の安心感です。
安心して読めるということは
それはそれで読む側としては暇つぶしとしては
いいことです。
水戸黄門が人気があるのと同じです。
しかし、短編というか読み切り作品として
使うには全くだめな主人公です。
もし、キャラを
「やろうと思った事は、どんな困難な
事も楽々出来てしまう万能人間」
という設定にしたとします。
あらゆるエンターテインメント系ストーリーの
基本というのは、主人公が困難にブチ当たって、
それを試行錯誤しながら克服・解決してゆく事です。
そして、その困難を克服・解決する過程に
作品の魅力がギッシリ詰まっているのは
言うまでもありません。
ところが、このように主人公が“万能人間”だと、
その困難を克服・解決する過程が全く無くなって
しまうんです。
例えば、テレビゲームで裏技を使って無敵モード
にした時、最初は凄い爽快なんですが、
すぐに飽きてしまいます。
無敵モードで完全クリアしても全然嬉しくなかったり。
で、完璧な主人公は、まさにその無敵モード
に入ってるんですよね。
だから、主人公が問題を完全クリアしても
読んでいて全然嬉しく思えないんです。
古今東西の名作少年マンガの主人公を出来る
限り思い出してみて下さい。
評判の高い作品の主人公ほど、
どこかに重大な弱点や欠陥を抱えていたはずです。
○今回の新人賞を獲るポイント
「主人公は完璧すぎちゃだめ!」