漫画ストーリー、キャラの作り方で、初心者でも新人賞が取れる!

漫画の新人賞が獲れる魅力的なストーリーの作り方や審査員も納得するキャラクターの考え方などを紹介いたします。漫画の描き方(書き方)を勉強したい人のサイトです。

設定の考え方

常識を深く考えて新しい発想を出す

設定やキャラクターが漫画にとって重要なことは
すでにあなたも知っていることでしょう。
でも、結局のところ出てくるアイディアというのは、
ひどく常識的な、
「どっかで見たことのあるもの」
になっているのではないでしょうか?
もし、そういう悩みがあるのなら、
今回の話は役に立つものになります。
まったくアイディアも何もないゼロの状態から
何か奇抜なことを考えようとしたら、
一番考えやすいのは、
「常識を深く考える!!」
ということ、それで、新しいものが生まれます。
意味不明ですか?


例を出しますと、
少し前にヒットした「デスノート」という漫画。
ノートに名前を書くと死んでしまうというあれです。
この作品の設定で奇抜だと思ったのが、
月の死んだ後の描写です。
誌面が真っ暗闇になり、
「人間は、いつか必ず死ぬ。死んだ後に行くところは無である。」
という文字が。
つまるところ、天国や地獄などの死後の世界など存在せず、
「人間が死んだ瞬間、すべてが消えてなくなる」
と言い切っているわけです。
新しいです。
当たり前といえば当たり前なことなのかもしれませんが、
少年マンガの世界での常識を元に、
あらためてこう言われると、かえってすごく新鮮な考えのような
気がします。
たとえばドラゴンボールでは、
「死んでもドラゴンボールで生き返ればいい」
と言うようなセリフが平気で飛び出しますし、
「キン肉マン」や「聖闘士星矢」、
また「幽遊白書」などの歴代の人気マンガ
では、死んだキャラクタは当然のごとく生き返ります。
「地獄の鬼と戦って勝った」とか、
「神が許可した」とか、
「致命傷に近かったが、本当は死んでなかった」とか。
理由はさまざまですが、それでもほとんどのキャラクタが、
ちょっと地方に出張に行ってきたくらいの気軽さで帰ってきます。
生き返れないとしたなら、
それは人気がなかったというだけです。
このように死んでも何度でも復活できる、
というのが当たり前、つまりは常識的な少年マンガの
世界で、この「死んだら何もない」という言い切りは劇的なのです。
くわえてデスノートの中でどのキャラクタが死んでも、
ネットでは必ずと言っていいほど、
「実はあの人は生きている!」
という説が飛び交いました。
もちろんどのキャラクタも、
生きて再び出てくることはありませんでした。
当然生き返ることを期待する読者に、
冷たいまでにそれを拒否する作者。
この死生観に、大きな隔たりがあったことが特徴的です。
そして、デスノートの中には「死神」や「死神界」が存在しているのにも
かかわらず、天国がないという。。。。
これが最高です。
普通、天国と地獄はセット。
それが地獄しかないというこの斬新さ。
これが漫画界の常識をひねって面白い設定を生み出すということです。
さて、デスノートの中では完全に否定された「死後の世界」。
では、そもそも我々の中に確実に存在するこの考えは、
いったいどうして起こったのか考えてみましょう。
人間は、誰でも「逆転」したいと思っています。
「年末ジャンボ3億円!」みたいな宝クジを、
何度ハズレても買い続けてしまうのも、
ギャンブルをするのも、すべて「逆転」したいからです。
また会社社長や政治家が失脚したり、
また有名人のスキャンダルなどが大々的なニュースになるのも、
やはり同じ心理。
上の人が落ちることで、
相対的に自分が逆転したような気分に浸れるからです。
さて、ここからがポイント。
自分が思うに、「死後の世界」というのは、
「究極の逆転」のような気がします。
今からどんなに頑張っても、どんなに状況が好転しようとも、
ここからでは、とうてい逆転が難しそうだ…。
でも、死んだ後にいくらでも幸せになれる。
来世では、こんな幸せな生活になれる。
この思考は、限りなく人の気持ちを安らがせます。
この「天国」や「来世」が、本当に存在するかどうか、
科学的な根拠はありません。
でも人間、ピンチになればなるほど、
色々なものにすがりたくなるものです。
おぼれかけたら、たとえワラであってもつかみたくなるでしょう。
砂漠で干からびそうになったら、どんな色をした液体であっても、
水っぽいものなら無我夢中で口に入れるはずです。
そう言う意味で、この「死後の世界」
という考えが生まれたと考えられます。
くわえて。
この「死後の世界」という発想に、
「お金」や「苦労」などを結びつけた人って、
天才だと思います。
たとえば中世の教会は、
「免罪符」を売り出しました。
どんな罪を犯しても、それを買いさえすれば罪が許され、
天国に行ける…というわけです。
この発想、天才的だな、と思うのです。
いえ、皮肉とかではなく、純粋に。
たとえば想像してみてください。
誰でも、「君は死んだらすぐにでも天国に行ける」と言われたら、
とても信用はできません。
しかしあえてお金や労働をさせることで、
「これだけのお金(苦労)を払ったんだから、天国に行けるに違いない」
と思いこみやすくなるわけです。
この思考を、心理学では「認知的不協和理論」と言います。
苦労すればするほど、得たものが優れたものである、
と考える心理のことですね。
お金を受け取る側は、財政的に潤う。
お金を払う側は、払うことによって、
その内容をより信じる。
信じたら、もちろん「逆転できる…」という
甘いキモチに浸ることができて、
幸せに生活することができる。
誰も損しません。
だからこそ、宗教って発展したのかな、と。
理にかなっていると思います。
というわけで、「死後の世界」や「来世」に目を向けて考えるのは、
ちょっとだけ現在の生活に疲れている証なのかもしれません。
話しが逸れましたが、常識を深く考えてちょっとひねって
新しい発想を出すということを試してみてください。
思ってもみなかったアイディが出てくるはずですよ。
○今回の新人賞を獲るポイント
「常識を深く考えてちょっとひねってアイディア創出!」

-設定の考え方

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