漫画のストーリーを考えていると、
登場人物を殺したくなることって
ありますよね。
もちろん、
ストーリーを盛り上げるためですよ。
死というのはインパクトもあるし、
停滞したムードを壊す為に何かを
起こしたいときに使える手法でもあります。
でも、
安易に殺してしまうと取り返しが付かないほどに
作品をだめにしてしまいます。
死にも種類があり、
作品に合った死を選ばないと、
文字通り作品が死んでしまうのです。
第一線で活躍している漫画家は、
「死」の描き方に対して独自のスタンス
を持っています。
大きく分けると
死のパターンは以下の4種類です。
1.重い死
例:「エヴァ」「北斗の拳(主要キャラ)」「ワンピース」
人が死ぬシーンを描く為に
作品を描いてるんじゃないの?
と思うほど、
作品の質を高め、名場面となっています。
それは作品中で死を重いものだと思わせる
前フリが巧みに入れてあるからです。
私が忘れられないのは「北斗の拳」で、
南斗水鳥拳レイの死です。
子供の頃に読んだんですが、
鮮明に覚えています。
雑魚キャラはポンポン死にますから、
そのギャップがすごいです。
2.軽い死
例:「HUNTER×HUNTER」「ガンダム」
「NARUTO」「北斗の拳(雑魚キャラ)」
死という本来は残酷で悲しいものを
少年マンガ用にレベルを下げる目的で
あっさり殺すケースです。
極端なのは、
元気だったのに
ページを捲ったら死んでいたとかですね。
やり方としては、
死を日常の一風景として描いてしまうことです。
3.考えさせる死
例:「ブラックジャックによろしく」「火の鳥」
重いとか軽いとかいうレベルの話ではなく、
純粋な「死」という出来事を描いています。
そして読者に
「命とは、死とは何だ?」
という疑問を投げつけるのがパターンです。
4.死んでも生き返る
例:「キン肉マン」「GANTZ」
生き返らせることが可能な要素が
ない世界かある世界かということです。
ドラクエなどのRPGのように
生き返らせることができる設定であれば
生死も寝て起きるのと同じようなものです。
死を描くときには、
あなたの作品の内容、テーマ、雰囲気
に合わせて
死のパターンを選ぶ必要があります。
20歳前後の若い人の作品を読むと
この辺りの考えが曖昧というか、
はっきり分からないことが多いです。
それは恐らく、
若い為に将来の夢や希望は想像できるが、
自分の「老い」や「死」を
本気で意識したことがないので想像できない
ということが理由でしょう。
それほど、
死というものには
あなたの経験や価値観が反映されるものです。
だから、
あなたが若いのであれば、
「軽い死」「死んでも生き返る」という
死を選ぶの方がストーリーを作りやすいでしょう。
重い死は、
年齢を重ねれば、
自然に生と死を考え、重みを理解して
想像できるようになりますので
安心してください。
特に結婚して
子供が生まれたりする経験をした人は
重い死というを選ぶと
良い作品が描けるような気がします。
○今回の新人賞を獲るポイント
「人を殺すときは、殺す意味を深く考えよ!」