今日は、どうすれば、漫画作成の技術を着実
に身につける事ができるか?
という話をしようと思う。
その答えは、昔からある日本の武道で伝えら
れている事だった。
つまり、、、
守・破・離
これに尽きる。
最初のステップは『守る』つまり師匠から
言われた事をただただ、マネしてひたすら繰り返す。
次のステップは『破壊』師匠から教わった
ルールややり方などを壊してみる。
そして、最後のステップが、『離れる』つまり、
師匠から教わった事から完全に離れて自分独自
の手法を開発していく。
漫画を書くのもこれと全く同じプロセスだ。
最初はマネ。
次はちょっと壊す。
そして離れる。
しかし、現実は最初から『離れ』よう
としている人が多い。
つまり、最初から、自分独自の方法、
自分独自の表現方法、自分独自のパターン
などを作りだそうとしている。
そんなのやめちまえ!
その結果として、どんなものができるか?
というと、なんだか微妙な漫画ができあがる。
何故こんな事がおきるのか?
答えは簡単だ。
それは、作者のエゴにすぎない。
つまり、いい漫画を書いて『すごい』
と思われたい。
『カッコいい』と思われたい。
『読んだ人を驚かせたい』というエゴにすぎない。
エゴは漫画家にとっての最大の敵である。
我々の目的は、漫画を買わないような傍観者から、
『すごい』と思われる事ではない。
何度も、何度も言っているが、、、、売ることだ。
どんなにヘンテコな漫画でも、どんなにしょぼい
表現方法だとしても、それが売れていれば、
それが正しい。
以上だ。
何故だろうか?
漫画家という仕事は、創作の仕事だからだろうか?
みんなエゴが出てくる。
最近、読んだ素人のある人の作品も彼独自の表現方法
やパターンが満載だった。
もちろん、漫画を書き始めて数カ月の
人間の独自の表現方法はたかが知れている。
あなたが今、どんなレベルにいようと、
おそらくやるべき事は『守る』ことだ。
徹底的に、真似をすること。
真似をし続けて、それが、自分の動き
になるまで、マネをする事。
それから、その漫画での表現の背後に
ある心理などを知って、さらにマネを
深めるようにする事。
自分を出そうとすると、
時間もかかるし質はさがる。
漫画は読者の反応が取れて、
売上があがっていればいいワケで、
何も、新しい表現方法を開拓する必要はない。
それが、私が絵の表現方法は模写して学べ、
ストーリーはテンプレートを使えと言って
いる理由の一つである。
テンプレートで簡単に結果がでちゃうから、
それに罪悪感を感じる(こんな簡単でいいのか?)
などという、フザけた悩みを持っている人もいるが、
それでいいんだよ。
これが真実だが、実はこれを
教えてくれる人はほとんどいない。
みんな、カッコ付けて、
「俺が独自の表現方法を考案したから成功できた」
「オリジナルのストーリーを考え出したから評価された」
などと言っている。
だまされるな!
独自の表現やストーリーなど存在しない。
あるのは、これまでの長い漫画の歴史の中で
生まれた技法や表現、ストーリーの組合せに過ぎない。
それらを道徳的に拝借して自分の作品を作り上げる
ことができるのがプロになれる人なのだ。
○今回の新人賞を獲るポイント
「『守・破・離』で特に『守』を意識せよ!」