今回はセリフの書き方ですが、
内容は「盛り上がる会話」です。
会話のシーンがつまらない漫画は、
どうしても勢いがなくなります。
少し上級者になってきたら、
ストーリーだけでなく、会話でも
楽しんでもらうというサービス精神が
作品の質を高めてくれます。
他の人はあまり気を使っていない
部分でもあるので、差をつける
要素にもなります。
最近、クイズ番組を見ていると
凄くおバカなタレントが
トンチンカンな答えを答えて
いる場面に良く出くわします。
「大丈夫かな?」
「えっ?!こんな簡単な問題もわからないの?」
なんで、こんなおバカな人をクイズ番組で使うんだろう?
こんな風に思った事ありませんか?
実は、こんなクイズ番組のキャスティングも
視聴者を楽しませる為に、仕掛けがして
あるのです。
例えば、クイズ番組をみていて、
凄く難しい問題ばかり出題され、
全然答えが解らない番組はあまり
見たくないですよね。
クイズ番組は、見ている人が6から7割くらい
答えが解る問題が出題されて、その問題に出
演者が四苦八苦しているから見ていて
”楽しい”のです。
そこに、トンチンカンな回答をするちょっと
”おバカ”なタレントが珍回答をする事
によって視聴者は、優越感を味わえるのです。
それが、楽しいクイズ番組の仕掛けなのです。
この『仕掛け』実は、漫画でも応用できるのです。
会話をして盛り上がるパターンを説明します。
現実に二人で会話をしている時、話を聞いている方が、
全くその話について知識がなく、
『そうですね』とか『へー』と相づちついている
だけでは話は盛り上がりません。
聞き手が、話してのテーマについて6割程度
知識があると盛り上がるのです。
『ねー、あれ知ってる?』
↓
「あー・・・。あれでしょ!知ってる、
知ってる、あれって○○なんだよね。」
『そう思うでしょ!実は本当はこうなんだって!』
↓
「本当に!!初めて知った!マジで?!」
↓
『マジだよ!それでね、
実は×××も△△△らしいんだ。』
↓
「ふん、ふん、なるほど・・・
だけどさー、じゃあ、あれはどうなるの?」
↓
『あー、あれ!あれはこうゆう事なんだよ』
↓
「そうなんだ。凄いね。よく知ってるね。」
と、言うように盛り上がった会話になるのです。
そして、話をしている方は会話のキャッチボール
がある程度できた状態で、尚且つ相手が知らない
知識をひけらかす事によって、
優越感を味わえて『この人と会話をしていて楽しい』
と感じるのです。
逆に、話し手と聞き手が同等の知識があり対等
に話を進めると、話は盛り上がらなくなります。
『ねー、あれ知ってる?』
↓
「あー・・・。あれでしょ!知ってる、
知ってる、あれって、○○なんだよね。」
↓
『そう思うでしょ!実は本当はこうなんだって!』
↓
「知ってるよ。×××でしょ。テレビでみたよ。」
↓
『・・・・・・・・』
という感じになってしまいます。
会話を盛り上げようと思うのでしたら、
相手より知識があっても聞き上手な人を
登場させると盛り上がります。
この会話のテクニックをさらっと入れられる
ようになると会話が自然で楽しくなります。
もう一つのテクニックは、
相手が投げてきた会話を受け止めて、
それを投げ返すということです。
会話シーンが得意な人は、
この作業が上手に出来ています。
スムーズなキャッチボールを続けるには、
まず相手に質問を投げかける事から始まります。
その質問にも実は、テクニックがあるのです。
まず、覚えておいて欲しい事は、
質問には二種類あるということ。
”閉じた質問”と”開かれた質問”です。
そして、その質問を”開かれた質問”
にする事によってスムーズなキャッチボールが
続けられるのです。
”閉じた質問”とは、
「はい」「いいえ」で答えられる質問です。
「お寿司すきですか?」
「スパイダーマン3見ました?」
などの質問になります。
「はい」「いいえ」で答えられてしまえば、
それ以上会話が広がりません。
しかし、”開いた質問”では話が広がるのです。
「日曜日には何やってたの?」
「家でDVDみていたよ。」⇒「何見たの?」
「プリズン・ブレイク」⇒「ああ、あのアメリカのTVシリーズのね!
誰と見てたの?」
などのように、話をさらに広げていくことができるものです。
”開いた質問”を続けるコツは「4W1H」なのです。
「だれ?」 (WHO)
「なに?」 (WHAT)
「いつ?」 (WHEN)
「どこ?」 (WHERE)
「どんな風に?」(HOW)
この「4W1H」を上手に繋げて話していくと
スムーズなキャッチボールが続けられます。
○今回の新人賞を獲るポイント
「開かれた会話で楽しさを演出せよ!」