何となく読み難い漫画ってありません?
そのほとんどの理由はセリフにあると思います。
説明的なセリフが多すぎて読み辛いんです。
読んでいる途中で冷めてしまいます。
極端な話を言えば、
「漫画ではセリフは絵の内容を
補完するものにしか過ぎない、
多くの部分は絵で説明が終わっているのが理想」
という思いでセリフを考えなくてはいけないんです。
さて
「説明的なセリフって何?」
と疑問に思いますね。
それの多くは、
登場人物が自分の知っていることを
セリフとして言ってしまうってことです。
今こういう状況でこんな敵と戦闘してて…と、
当事者なら周知の事をだらだら話すと、
冗長でスピード感もリズムもなくなってしまいます。
長編漫画では
第1話で主人公とその周辺の説明をするのが
一般的ですね。
説明を終わらせ、
第2話を読ませようとするため
ラストの引きを強調する。
この部分には説明が挟まれない、
何かが起こったんだが内容が良く分から
ないまま第2話へ続く。
説明しない、
説明は次回にまわして期待感を持たせるんです。
これでOKです。
しかし、
新人賞に送るような読み切りは違います。
一話で終わりですから、
「第二話から面白くなります」
ということは通じないわけです。
だからこそ、
主人公とその周辺の説明をしながらも
ストーリーを進める必要があり、
ナレーションなどを加えて
主人公が今の自分を語って
早い段階で説明を終わらせようとするわけです。
しかし、
しっかり伝えたいという思いが強すぎて、
説明過多になりがちです。
たとえば、冒頭で
「俺は今、学校の教室にいる」
とか
「部屋で徹夜で宿題をやっている」
などという独白はいらないんです。
どこにいるかってのは
セリフにする必要がないんです。
それらしい絵を背景にして描写すれば、
読者は読み取ってくれます。
また
「痛みを我慢している」
とか
「敵が来るのを待っている」
とかいう
何が起きているのかを説明するセリフ
もいらないです。
それを描写すればいいんです。
では、
今すぐ漫画喫茶に行って、
手当たり次第に漫画の第一話や
読み切り短編集を読み、
どういう演出やセリフの使い方をしているかを
確認してください。
きっとあなたにとって
大きな気づきがあるはずです。
○今回の新人賞を獲るポイント
「説明的なセリフは排除せよ!」