漫画ストーリー、キャラの作り方で、初心者でも新人賞が取れる!

漫画の新人賞が獲れる魅力的なストーリーの作り方や審査員も納得するキャラクターの考え方などを紹介いたします。漫画の描き方(書き方)を勉強したい人のサイトです。

ストーリーの作り方

読者の欲求に応えるストーリーを作る

いくらストーリーやキャラを作っても
それが読者が望んでいる欲求に応えて
いなければ、面白いとは思ってもらえません。
だからこそ、読者が漫画に対してどんな
欲求があるかということを知ることは
重要なことです。


小学生、中学生、大学生、主婦、社会人
男、女、金持ち、貧乏、権力者
など、立場や環境が違えば
欲求も変わってきます。
なので、最初に誰をターゲットにした
漫画を書くのかを決めてください。
そのあと、そのターゲットに合った
欲求を考えていきます。
ということで、
今回は、欲求を満たす漫画を書く方法です。
子供から大人に成長するためには、
自分のやりたいことを我慢したり、
衝動を抑えたりしないと、
わがままで怠惰な人間になると思いがちです。
多少の抑制は必要ですが、「人間性の心理学」
という第3の心理学を打ち立てた
アブラハム・マズローは欲望と成長に
関してもっと積極的な見方をしています。
フロイトが主に病理的な人を対象に研究し
精神分析を開発したのに対し、マズローは
健康で人々から尊敬されるような人を
研究対象にしました。
そこから欲求の階層論という仮説を
導きだしました。
「人間の衝動・動機・欲求は、それ自体は、
けっして悪いものではなく、中性的ある
いは良いものである。
人間には、生得的・本能的で、基本的な欲求があり、
階層的に存在している。
基本的な諸欲求を適度に満たされれば、
人間は、停滞することなくますます成長し、
心理的にいっそう健康になっていく」
つまり欲望を満たすともうそれには
あまり執着しなくなり、次の質の異なった
欲望が現れてくるということです。
(1)生理的欲求
最も基本的で強く、最初に求めるものは、
生きていくために必要な、食物、水、空気、
といった生理的な欲求。
現代人(日本人)はだいたいこれらは
満たされています。
しかし、それだけでは満足せず
次の欲求が生まれてきます。
(2)安全と安定の欲求
腹がいっぱいになった子供は、
安心していられるように、
危険から守ろうとします。
これも比較的今の日本ではある程度は
保証されています。
安全ならそれで満足かというと
そうではないのです。
(3)所属と愛の欲求
生理的・安全的に満たされると、
それらはあまり魅力的ではなくなり、
親や仲間からの愛情を欲しがります。
欲求が階層構造になっているというのは、
生理的・安全的状況が整っていないと愛情
の欲求は生まれてきにくいからなのです。
(4)承認欲求
親にかわいがられていても子供は
反抗するようになります。
認めて欲しい、評価してほしい、自分に自信が
持ちたいと思うようになるのです。
私たちの大半はこの動機・欲求に基づいて
行動していることが多いので、自尊心を養う
ことはとても重要になってきます。
なぜならそれが満たされると次に
進めるからなのです。
以上の4つは、必要を満たすという意味で
欠乏欲求といいます。
ターゲット(読者)がどの欲求が満たされ、
どの欲求が不充分かを想像してみてください。
生命の危険にさらていますか?
経済的にもある程度安定していますか?
家族と仲間がいて、他者から認めてもらえる
ようなことをしていますか?
おおむねこういったことに満足し、
年がら年中4つの欲求に支配されない人
をターゲットにする場合は次です。
(5)自己実現の欲求
社会的に認められ、仲間に恵まれていても、
何かしっくりこないものがあります。
これは、自己実現の欲求が芽生えたからなのです。
「人間には、自分にしかできない固有の生き方をしたい、
自分の可能性を最大限に実現したいという欲求があり、
欠乏欲求が満たされた場合それを基礎にして出現する。」
真・美・全体性・躍動性・独自性・必然性・正義・
秩序・単純さ・無碍・楽しみとい
った質が重要になってきます。
このように欲望をかなえていくことにより、
成長していき、成長することによって、
より大きな満足、やりがいを見出していくのです。
あなたの読者は、漫画を読んでいる時点で
食べ物がなくて、命の危険があったり
家が無くて、生活にこまっている可能性は
ほぼゼロといっていいでしょう。
だから、そういった「家を手に入れて
生活できるようになる」という欲求を満たす
漫画を描いても共感してくれる人が少ない
だろうということは理解できると思います。
なので(3)(4)(5)を満たすような
設定、ストーリーを考えるのが
新人賞を取る近道になります。
ざっとした(3)のストーリーへの応用としては、
仲間なんていない、誰からも愛されていない
と思っていた主人公が、困難を乗り越えて
行く間に、実は愛されていたことに
気が付く….。
といった具合です。
これで(3)の欲求を持った人は撃沈です。
「ああ、愛されていてよかった。きっと私も
 愛されているんだ…」
と感動して、あなたの作品を大好きになって
くれます。
さあ、さっそく読者の欲求に応えるストーリー
を作って新人賞に応募しましょう。
○今回の新人賞を獲るポイント
「読者の欲求に応えていない漫画なら描かないほうがまし!」

-ストーリーの作り方

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