ルンバというロボット型の掃除機をご存知ですか?
自動で動いて部屋の掃除をしてくれる掃除機です。
これがかなりの高性能で、評判が高いんです。
「だからどうした?」
と思わずに聞いてもらいたいんです。
この掃除機のキャッチコピーは、
「自由な時間をプレゼント」
ポイントは自由な時間。
なるほどなって思った?
何がいいかって、理由は簡単。
このキャッチコピー、商品の特徴とは全く関係ない事をアピールしている。
どこにもロボットだから自動的とか、充電が簡単とか、段差にも対応とか、、、
そんな事は書いてない。
ここでアピールしている事は、たったの一つ。
時間である。
そして、このアピールは商品目線ではなく、
見込み客の目線に完全に立っている。
考えてみよう。
掃除機を買うのは誰だろう?
主婦だ。
主婦は忙しい。
ご飯を作って、洗い物をして、掃除をして、洗濯して、
お風呂をわかして、子供の面倒を見て、、、
自分の時間なんてほとんどない。
そんな見込み客の心情を見抜いたかのごとくのこのキャッチコピー。
素晴らしい!!!
そして、さらには、これ商品のベネフィットを考え抜いた結果でもある。
掃除機が自動のロボットになると
どんなベネフィットがあるのか?
という質問を考え抜いた結果、掃除が楽になる。
部屋が勝手に綺麗になる。
掃除しなくて済む。その分の時間が取れる。
という事になる。
言われてみれば当たり前のように感じるかもしれないが、
実際それが自分の商品でできてるかどうかは別問題。
漫画を描くことも同じこと。
ほとんどの人は、自分の事ばかり考えている。
自分の作品の特徴、読者へもたらすベネフィット。
そして、それが、読者の生活や考え方にどんなインパクトを与えるのか?
どんな変化を与えるのか?
という事を考えていない。
それを考えるためには、誰がターゲットなのか?
どんな人がこの漫画を読むのか?
という事を明確に知らなければいけない。
相手がどんな人かを知らずに
その人が読みたい漫画を知る事はできない。
たとえば、ルンバを買うのがニートだったら、
自由な時間をプレゼントなんてのは何のアピールにもならない。
だってニートは腐るほど時間あるからだ。
しかし、本当に忙しくて自分の時間が取れない人、
たまには自分の時間が欲しい、、、
と思っているような人にとっては、最高のメッセージになる。
さあ、自分の漫画を見直してみよう。
自分の漫画のメッセージを見直してみよう。
読者中心のアピールになっているだろうか?
そもそも読者は一体誰なのか?
そして、読みたいと思わせる作品になっているだろうか?
○今回の新人賞を獲るポイント
「あなたの作品のアピールポイントは読者あってのこそ!」