キャラを動かす上で重要なポイントの一つが隙です。
隙というのは、「キャラクターの心に読者が入り込む隙間」のことです。
この隙間がないと読者は感情移入できずに物語りだけが進み、
読書後の感覚として、ストーリーの中を人形が動いていた
だけだったという感想になってしまいます。
では、隙間があるとはどんな状態でしょう?
言い換えれば「完璧ではない」ということです。
不完全な部分こそ、読者が入り込む隙です。
何でもこなして、失敗もしないキャラというのは、
ストーリーを進める上では非常に都合が良いですが、
読者を作品に引き込む役割としては、失格です。
恋愛で考えると分かりやすいです。
完璧で優等生の女性より、
ちょっとドジで放っておけない危なげなところが
ある女性のほうが話しかけやすいし、リアルにモテます。
男だって同じです。
クールで無口だけではモテませんが、
少し苦手なものが合ったりした方がモテますし、
人気があります。
テレビに出ているアイドルを考えてもらえば
納得できると思います。
完璧なアイドルより、
バラエティ番組などでコミカルな一面を見せるアイドル
のほうが人気が出ています。
隙の重要性はわかっていただけたでしょうか?
では、漫画のキャラに隙を持たせるにはどうしたら
よいのでしょうか?
初歩的な方法としては、
「ふとした瞬間に見せる隙」
「心を許せる人にだけ見せる隙」
を演出することです。
「ふとした瞬間に見せる隙」は、ストーリーの本筋とは
関係のない所で、
たとえば、完璧で優等生の女性なのに私服がみょうに
ダサいとか、慌てると場違いな変な専門用語を使って
しまうとかいう演出です。
「心を許せる人にだけ見せる隙」
というのは、完璧で優等生の女性なのに、
普通の人には絶対に話さない自分のちょっとした失敗談を
明るく話すとか、プレゼントもらっただけで感動で涙を流す
とかいった演出です。
ストーリーの進行を邪魔しないように、さりげなく、
隙を入れていきましょう。
きっと作品の魅力が一段階アップするはずです。
では、今すぐ、あなたのキャラに隙を入れてみましょう。
○今回の新人賞を獲るポイント
「キャラには隙を与えて、読者にモテるようにする」